「ARKHEMINA」の記事

2014年11月に出した1stアルバム「ARKHEMINA」についてのレビューと感想をいただきました。ありがとうございます。
とても嬉しかったのでご紹介します。
作曲家『関美奈子』氏のソロアルバム『ARKHEMINA』レビューと感想

発売して約2年となりますが、今もこうやってお聴きくださる方がいて本当にありがたく思います。
これからも末長くお聴きいただき楽しんでいただければ嬉しいです。

それで、思ったのが、、、、
このアルバムの曲ごとについて纏まった形で自分で何か公開したことって無かったなと。
以前、海外サイトでレビューARKHEMINA(vgonline.net)いただき、あまりに丁寧に書いて下さっていたので、なんとなく書いた気になっていましたがちゃんと自分で書いたことはありませんでした。

前にどこかに書いたかもしれませんが、ARKHEMINAはアルバム名でもありアーティスト名でもあるのですが、立ち上げた時に私が愛聴しているあるグループの立ち上げ経緯を真似て、匿名アーティストといいますか、ARKHEMINAの中身は誰かわからないようにして演奏は私がしているという体にしました。

しかし、発売してすぐに、あ、あれ関さんところのね(私が売っているので当然ながらそうなりますよね(笑))となり、匿名にしていたら本当に売れなかったので(苦笑)もう格好つけずに開き直ってARKHEMINAという名前でオリジナルは活動することにしました。

ARKHEMINA(アルケミナ)の名前の由来についても、どこかに書いたかもしれませんが、Ark「ノアの方舟、契約の箱、聖櫃」、Arcと読めば「弧」、Arkhe「起源、根源」、Arkemi「Alchemy 錬金術を彷彿とさせる」などといろいろな意味に捉えることができること(私自身はイメージの限定はしていません、聴いていただく方の捉え方におまかせしています)に加え、自分の名前(フィンランド語でminaは(自分)というを後から知りました。正確にはaの上に点々)の一部というかなりベタな感じです。

曲ごとの解説ですが、今まで自分では覚えてるからいつでも思い出せばいいやと思っていたのですが、相当記憶が曖昧になっていて(汗)なんとか当時のメモ書きのようなものを発掘できたのでそれを元に思い出しつつ書きたいと思います。。。


Tr.01 L’introduction 〜ARKHEMINA〜
題名そのままですが、このアルバムの導入という位置の曲。
アルバム全体で一つの世界を作りたいという意図があったので、このような曲を置きました。


Tr02 Château d’Amboise
フランスのアンボワーズ城がテーマ。
この曲と、Tr04 Château de Chenonceau、Tr08 Château d’Azay-le-Rideauについては、ある短編からキーワードを捉えそれを元にイメージをふくらませるという形で作っていきました。
当時の制作メモによると「晩年(1516年-1519年ごろ)のレオナルド・ダ・ヴィンチと当時のフランス王フランソワ1世のアンボワーズ城でのやりとりをテーマにした短編と、そこから私が思ったキーワードとして「知性、孤高、積み重ねた歳月、哀愁」と書いてありました。
その短編はレオナルド・ダ・ビンチの回想という視点であったので、中間部にかつて華やかであった過去が少しだけ顔だしつつも現在と過去を見渡す一貫した眼差しを表現しようとしました。 個人的には冒頭のコード進行が気に入っています。


Tr03 Mont Saint-Michel
フランスのモン・サン=ミシェルがテーマ。
モン・サン=ミシェルはアルバムジャケットにもなっていますが、テーマにしている建築物の中で唯一実際に行ったことがあり、相当思い入れのある場所です。
ケルト人が信仰する聖地と修道院(大天使ミカエルが夢枕に立ったという話)としての宗教的なものと、百年戦争での要塞としての役割と二つのイメージから曲を組み立ていきました。 もう一度行ってみたい場所のひとつです。


Tr04 Chateau de Chenonceau
フランスのシュノンソー城がテーマ。
この曲もイメージの元となる短編があります。 当時の制作メモによると「カトリーヌ・ド・メディシスとディアーヌ・ド・ポワチエのシュノンソー城をめぐる対峙。」
、、、とあり、大きな権力を持つ二人の女性の対峙からのイメージだと思うのですが、改めて今曲を聴くとそういうドロドロとしたものはあまり感じられないような気が。自分で言うのもなんですが(笑)
このころ、ソプラノのドラマティックな曲を書きたいと思っていたので、そういう意味では当たっているかもしれません。


Tr05 Château de Villandry
フランスのヴィランドリー城がテーマ。
この曲は完全に外観から受けるイメージで作りました。
ヴィンランドリー城にはルネサンス様式の美しい城もさることながら、幾何学模様の庭園が大変素晴らしいことで知られています。


Tr06 Schloss Neuschwanstein
Tr07 Schloss Hohenschwangau

ドイツのノイシュバンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城です。
この2つの曲は対になっています。 ノイシュバンシュタイン城は「狂王」の異名で知られるルードヴィヒ2世(バイエルン国王)が建築、ホーエンシュヴァンガウ城はそのルードヴィヒ2世が幼少時に過ごした城です。
ノイシュバンシュタイン城は「おとぎ話に出てくるような」と讃えられる美しさの城で一部のディズニーランドの眠れる森の美女の城のモデルのひとつとして知られていますが、今回はそういった夢のあるイメージではなく、ルードヴィヒ2世自身の数奇な境遇や城にまつわる悲劇のようなものから導き出されるイメージで作りました。
当時の制作メモをあえてままに書きます。
「(ルードヴィヒ2世の)中世や中世騎士道への憧れ(イントロの古楽的なもの、少し勇壮なメロディ)、音楽に不穏なSEやノイズが絡むのは現実と妄想世界がごっちゃに朦朧となるイメージ。キーワードは虚飾、孤独、虚ろな心。ルードヴィヒ2世についてエリザベト皇后は「彼は決して精神病ではありません、ただ夢を見ていただけ」、ルードヴィヒの言葉として「私が死んだらこの城を破壊せよ」(城を自分だけの世界にとどめておきたかった←結果住民は観光資産として残したという皮肉)、たぶんこのルードヴィヒの言葉は次の曲(注※Tr07 Schloss Hohenschwangauのこと)に関連していると思う」

ホーエンシュヴァンガウ城をテーマにしたSchloss Hohenschwangauについても制作メモを記載するにとどめます。(昔の思考が今追いつかないため(苦笑)
「ルードヴィヒ2世が幼少時に過ごした城。シュヴァンガウは直訳すると「白鳥の里」の意味でワーグナーの歌劇ローエングリンで有名な白鳥伝説ゆかりの土地といわれる。こうした地元の伝説もあり城には中世騎士伝説をモチーフにした壁画が描かれており、幼少期をここで過ごしたルードヴィヒが成長したのちも中世や中世騎士道に傾倒し「伝説と現実の境界を見失ってしまうようになってしまう」原因を遠からずここにあると指摘する研究者が多くいる。曲は前後は虚ろな感じのミニマルではさむが中間にローエングリンの「禁問の動機」(チャイコフスキーも白鳥の湖で使っているかの有名な動機)が現れる。後半はリュッケルト(1788-1866)の「私はこの世に忘れられて」のドイツ語詩を架空言語に再構築したものを歌詞とした歌。
『私はこの世に忘れられた。それは私がこの世から本当にしんでしまったからだ。私はこの世の喧騒からしんでしまい、静かなる地で安らいでいる。私はひとりで己の平安のなかに、そして己の愛の中にいきている』」


Tr08 Château d’Azay-le-Rideau
フランスのアゼ=ル=リドー城がテーマ。
この曲もイメージの元となる短編があります。 この短編を要約すると「オノレ・ド・バルザック(小説家)が、新作小説の中でアゼ=ル=リドー城について触れようとし想像する中で、城の美しさを堪能しつつも裏側の人間の醜さや争いを垣間見る」という内容。
制作メモによると「夢、めくるめく感じの中にうっすらと不穏、拮抗とまではいかないが、少しもやもやした感じから夢の雰囲気に戻る」とあります。わりとそのまんまな気がします(笑)


Tr09 Anfiteatro Flavio ~Colosseo~
イタリアのコロッセウム(フィラウィウス円形闘場)がテーマ。
これはまんま闘技場から受けたイメージですね。


Tr10 Château de Chinon
フランスのシノン城がテーマ。
1429年にジャンヌ・ダルクが訪れ、軍を立ち上げてフランスをイギリスから解放する舞台になった城(側近にまぎれた王太子を見分けたという話)。
制作メモによると「百年戦争の末期で落城寸前の追い込まれた状況であったが悲壮感でなく前向き感に転換。(後半少しそういう哀愁は出てくる)」


Tr11 Epilogue ~La fin est un commencement~
題名そのままですが、このアルバムのしめる位置の曲。
副題はフランス語で「終わりは始まり」という意味です。
最後にうっすらとTr.01 L’introduction 〜ARKHEMINA〜をリプライズします。


だいたいこんな感じでしょうか。また何か思い出したら追加します。
作ったらすぐ文章化して残しておくべきでしたね(汗)


関 美奈子 [ Minako Seki ]

関 美奈子 [ Minako Seki ]

Music Composer/Arranger