音楽著作権管理の話 第3回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・3〜

インデックス

音楽著作権管理の話 第0回 〜音楽著作権管理について書くにあたり〜
音楽著作権管理の話 第1回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・1〜
音楽著作権管理の話 第2回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・2〜
音楽著作権管理の話 第3回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・3〜
音楽著作権管理の話 第4回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・4〜
音楽著作権管理の話 第5回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・5〜
音楽著作権管理の話 第6回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・6〜
音楽著作権管理の話 第7回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・最終回〜
音楽著作権管理の話 第8回 〜実際にJASRAC信託者になってみて〜
音楽著作権管理の話 第9回 〜JASRACと他著作権管理団体と実際に契約して知ったこと〜
音楽著作権管理の話 第10回 〜音楽著作権管理の考察〜


音楽著作権管理の話 第3回 〜自分の音楽著作権管理の認識歴・3〜

新しいゲーム会社に移り、再び作曲業務に関わることになりました。

そして、ここでも社員は楽曲の音楽著作権は買取契約、しかもサントラなどが出た場合のゲーム使用以外の使用も全て買取のいわゆる完全譲渡契約でした。
しかし、前の会社より報酬が上がっており、作業場やスタジオまで用意されていたのでここでも全く買取契約に疑問を持つことがありませんでした。

ここで一つの転機が訪れます。

今まで社内の人間としか関わっていなかったのですが、外部の、しかも音楽業界のプロデューサーが音楽プロデューサーとしてゲーム制作に参加されることになったのです。
音楽プロデューサーだけでなく、私以外にJASRAC全信託の作家の方も複数ご一緒することになりました。
基本は外部音楽プロデューサーとクライアント会社サウンド担当社員という関係でしたが、ありがたいことにその仕事にとどまらない色々なことを勉強させていただきました。

この音楽プロデューサーは、音楽出版業務にも関わっており、その音楽出版経由で作品登録している作詞作曲家さんの分配業務もされていました。
打ち合わせに行くと、たまたまその作業をされているのを見ることもあり、どういうことをしているか教えて下さいました。

しかし、ここでも私の認識としては、活躍されてる有名作家(実際その方はそういう方々のものに関わられていたので)の方に関係あるもので、いちゲーム会社社員の私には関係無いことのように思え、お話は伺ったものの、そういうシステムがあるんだなーくらいに思うだけでした。

プロジェクトが終了し、音楽著作権の処理をしましょう、となった頃、私以外の作曲家の方はJASRAC全信託でしたので何の問題もなくJASRACへ作品登録をしました。
私の担当分は当然買取で作品登録はしないだろう思っていたのですが、音楽プロデューサーが「作家の中で一人だけ作品登録しないのはおかしいし、音楽著作権は作曲家にあるべきだ」と強く主張して交渉してくださり、私の名前で、無信託でしたので音楽出版社経由で作品登録をすることになりました。
しかもこの作品登録の書類を私に書くことを任せて下さったのです。
私は正直、社員としての買取契約もあったので、このイレギュラーをどう受け止めていいのか当時はわかりませんでしたが、今ではこの音楽プロデューサーと通すために尽力してくださった制作プロデューサーに感謝しかありません。
更に作家にとって音楽著作権がどれだけ大事であるかということ、ゲーム業界での音楽著作権の扱いが特殊であることを教えて下さいました。

ようやくここで私は音楽が利用されるのはどういうことか、音楽著作権が生み出すものは何なのかということを知りました。
そして、音楽著作権を作家に持たせようと思われる条件と交渉術が揃えば、立場がどうであれ音楽著作権を勝ち獲れるのだということを知りました。
また、音楽業界の方達は当然のように音楽著作権を持てる、と私は思っていましたが、出版社と作家の間のバランスがあり、その戦いがあること、音楽業界にいるからといって必ずしも音楽著作権を持てないこともパワーバランス上なきにしもあらず、音楽業界にいても音楽著作権をめぐる戦いがあることを知りました。
そういうことがある、と知っただけで、到底その音楽プロデューサーのような交渉がすぐ出来る訳でも無いのですが、その時わかったのは、ただただ何の疑問もなく買取契約を受け入れてるだけではいけないということでした。

この経験は別タイトルで、社員でありながら音楽著作権をもちJASRAC作品登録を行うことにつながりました。
これも社員という立場では一筋縄ではいかず、運良く条件が揃ったタイミングでの交渉の上の実現でした。

この後フリーになるのですが、ゲーム音楽に関わる上で、いかに会社に所属していた頃がどれだけ恵まれていたかを知ることになります。

株式会社DIGITAL SONIC DESIGN

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